私たちの生活においてエネルギーの確保は死活問題です。EIMY(Energy In My Yard)とは、生活に必要なエネルギーを自給自足するライフスタイルを指しています。自分が消費するエネルギーは自らの場所の自然エネルギーでまかなう・・・ということの「気持ちよさ」という理由から、エネルギーの自給自足に挑戦しました。
第一は冷房の不要な客室です。軽井沢は真夏でも夜の外気は10℃台まで下がります。断熱や越屋根などを組み合わせ工夫することで、空調設備を機械的に稼働させる時間を大幅に短縮できる予定です。
第二は、化石燃料に依存しない暖房です。地中熱を利用して暖房を行うシステムを導入することで灯油への依存から解放され、エネルギーの自給自足が約80%というレベルの高いエコリゾートになります。
谷の計画において、最も慎重に検討してきた部分は客室であり、LOHASな客室を目指してきました。ロハスとは、Lifestyle of Health & Sustainabilityの略称で、持続可能性という価値観を大切にしながら、心と身体に快適な在り方を目指すライフスタイルを指しています。
便利さを追求することは、温泉旅館での快適さとは限らないと考え、排除すべき機能も慎重に検討しました。例えば、テレビは顧客を都市の生活に引き戻すツールであり、谷の集落には相応しくないという発想から、客室には置かないことにしました。
自然を感じるということも客室の重要な要素です。室内にいながら外界を感じることができるように建物を分棟型にして、窓を2方、3方にとるだけでなく、土地の形状を尊重しながら、室内と外界の中間の領域を設定するという伝統的な日本家屋の手法を見習うことにしました。それぞれの場の特徴を尊重したために、客室のタイプは20を超え、それぞれ魅力的な要素をもつプライベート空間ができあがりました。